2013年 日本共産党代表質問

     201335

 

 日本共産党市会議員団を代表して、市長に質問いたします。

 

 昨年末に、民主党中心の政権から自・公政権に戻りました。景気回復や正規雇用を求める声に、前政権が、応えられなかったことが、政権交代の原因でした。公約になかった、消費税の増税を、強行した責任も問われます。

 今、国民の収入は、総務省の家計調査で、1997年に比べて、世帯の収入が102万円減り、雇用者報酬は、88%に落ち込んでいます。働く人や、国民の所得を増やすことが、国内総生産の、6割近い家計消費の拡大につながり、景気を回復させる近道です。

 高槻市でも、5年前に比べて、給与所得者が減少し、全体として納税義務者は97.9%、総所得は93.2%、に減少しています。納税義務者の収入そのものが、減少しています。

 さらに、高齢化が他の市より進み、年金生活者が増えています。

  こうした、高槻市民のくらしの現状をどう認識されていますか、お聞きします。

 濱田市長は、今年度、子ども医療費助成 通院・入院とも、小学校卒業まで実施、中学校給食全校での実施のために、2校で試行をはじめました。また、保育所建設にとりくみ、待機児童の解消に努力し、成果を上げてきました。新年度は、35人以下学級を、全学年で実施する提案をされています。一人一人の子どもの学力向上や、精神面での成長に、大きな効果があり、評価できる内容です。

  以下具体的な質問に移ります。       

 

第1に,市民にとってくらしやすい高槻にする事についてです。

 

 雇用を増やし、地元業者への仕事を増やす取り組みについてです。

 市はこれまでに「若年者 再就職 資格取得支援」、「企業立地 促進条例」を制定し、条例に基づき「事業所税 奨励金」、「固定資産税・都市計画税 奨励金」、「雇用 奨励金」を制度化し、運用しています。今年度からは「企業立地 促進 初期投資奨励金」を新たに追加し、より充実した制度としています。さらに工業系市街地において、製造業等の操業環境の維持・増進を図り、地域住民の住環境を守る「企業定着 促進事業」も、新年度から、工場の騒音、臭気対策への補助対象を拡充するとしています。

 

 これまでにも高槻では、大きな工場や事業所が転出していきました。こうした制度によって、工場や事業所の転出を、防ぐ効果が、どれぐらいあったのか、また、新年度どれぐらいの、成果を期待されているのか、答弁を求めます。

 

昨年ワークサポートたかつきで「若年者 自立就労相談」を始め、また、正規で就職できた若者に、奨励金を支給するなどの事業を展開してきました。さらに、若者が困難に陥っている背景は、様々である、との認識から、庁内の各課が連携して、若者支援に取り組むために、全庁的な連絡会を、設置しています。具体的には、どういう対策を、取られてきたのでしょうか。お答えください。

ニート・引きこもりの若者は、高槻市内で推計約2000人と、いわれており、困難を抱える若者達の多くに、手が届いてない状況です。また、就労面の支援だけでは限界があり、多くの困難を抱える若者を、効果的に支援できるように、仕組みを見直し拡充する必要があります。

特に、義務教育終了後、高校中退後、社会に出た若者が、就職や就労、再就職がうまくいかず、困難に陥るケースが多くあります。義務教育終了後や高校中退後に、社会にでた若者が、自立できるように、支援する仕組みを、つくる必要があるのではないでしょうか。答弁を求めます。

 

次に、保育所待機児解消と、子育て支援について、質問します。

 

 施政方針では、「0歳から2歳を中心に、新たな施策の展開」とされました。その内容について、まず、お聞きします。

 私達は、保育ママ制度のように、少ない児童を2人の保育士で保育するようなやり方は、密室状態になり、問題がある、と指摘してきました。認可保育所が分園として責任をもつことが、必要だと考えますが、市の考えをお聞きします。

 認可保育所への、施設建設や、改修整備の費用について、4分3は、国と市で負担してきました。しかし、「子ども子育て支援法」では、補助制度が廃止され、一定割合に相当する額を、長期にわたって支援することを検討しています。建設時の補助がなくなると、認可保育所は、建設しにくくなるのではありませんか?市の計画にも大きな影響を与えると思いますが、市の見解を伺います。

 

 また、法改正により、保護者と保育所との直接契約が基本になり、市の役割は、情報提供にとどまることになります。現在は、保育所への入所申し込み、入所決定まで、市全体で、公平にされる仕組みがあります。今後、市の責任や関与はどうされるのか、お聞きします。

 さらに、就学前の子どもの保育環境も、大きく変更されようとしています。新制度では、色々な形態の施設ができることになりますが、市として、子どもの保育に責任を持てる状況なのでしょうか、お答えください。

 

第2に国民健康保険・介護保険についてです。                 

 国民健康保険が、昨年度から一気に赤字になり、今年度も大幅な赤字になる見通しです。国の負担割合は、29年前には43%ありましたが、昨年は、21.2%まで落ち込んだことが、赤字になった最大の原因です。その結果、加入者一人あたりの保険料は、29年前の 2.2倍に値上げされています。

 せめて国の負担割合が30%だとすれば、高槻市ではいくら補助金が増えるのですか、また、この間、国や大阪府からの交付金の削減や変更が、市にとってどんな影響を与えたのか、お聞きします。

 

 国民健康保険法の第1条は「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と定めています。高槻市では、1952年に国民健康保険の導入を計画されましたが、市民が負担できる保険料ではないと、市議会で導入は見送られ、実際には、国民皆保険制度が始まった、1961年から導入されました。もともと、国民健康保険料は加入者に重い負担になっています。市は新年度に15年ぶりの値上げを計画しています。

 今回、法定軽減がかかり、かつ、所得割額がない世帯に対して、保険料の値上げ分を、2年間減免します。また、保険料が所得の、16%を超える金額について、減免するという提案です。国保財政が大変な中で、私どもは、評価できる内容だと考えています。

 国保法を改悪し、応能応益を、50対50にしたときには、収入の少ない人に大きな負担になると、国は法定軽減の制度を、始めました。それでも、高い保険料ですが、低所得者への一定の配慮がなされています。今回、2年間減免する保険料は、仮に2年後に市民のくらしが改善されていなければ減免を継続するべきだと考えています。市の見解を求めます。

 今回の値上げが、減免されない世帯では、ほとんどで、国保料の負担が重くなります。加入者の負担を減らすために、国に対して、補助率の引き上げを、求める考えはありませんか。答弁を求めます。

 

 次に、介護保険制度についてです。昨年4月から改定され、介護サービスを受ける側も、提供する側も、矛盾が大きくなっています。これまでも、重い利用料負担や施設整備の遅れなどのため、“必要なサービスを受けられない”という問題がありました。さらに負担が増え、介護施設整備の抑制などに、つながる改悪がされています。

 事業者の報告では、「ヘルパーの訪問時間が減ったこと」。「予防給付」の名のもとに、国が介護報酬を改定し、“ヘルパーの生活援助は1時間以上いくらやっても報酬は同じ”とされ、実質的に生活援助が短時間に制限される結果となりました。

  実際に介護をしているヘルパーさんは、45分では時間が足りないため、昼の訪問で、洗濯をし、夕方訪問に行ったときに洗濯物を干している例もあります。また、訪問時間が減り、ヘルパーの収入が減少するため、訪問件数を増やし、何件も行かなければいけないので、移動時間を含め、実際の拘束時間は長くなっており大変、と言う声があります。こういう実態を調査することが大事です。

 市は、ヘルパー派遣の時間が削減されたことによる影響を調査されたのですか?サービス利用者と事業者双方にアンケート調査をされるべきではないですか。市の見解を求めます。

 

  元気な高齢者を増やすための取り組みの抜本的強化とともに、病気の予防と早期発見は、結果として、医療費の抑制にもつながり大変大事です。ジェネリック医薬品を使い、相談活動もされてきました。それに加えて、健康づくりのための、保健師による相談、指導の充実・強化が重要です。医療費が低い長野県では、保健師による指導を行っています。厚生労働省は、長野県は「保健師らによる食生活の改善運動や病気の予防対策に熱心に取り組んでいる。」と評価しています。市の考えをお聞きします。

 

 第3に、高槻の良さを活かしたまちづくりについてです。     

 

 市では新エネルギー戦略を策定し、2030年には、市の消費電力の35%を、新エネルギーでまかなうとしました。福島の原発事故は今だに収束の見通しがありません。原発を廃止するために、自然エネルギーの活用は必要です。

 市は太陽光発電への補助を予算化していますが、毎年のように、補正を組んできました。市民の中で、太陽光発電をしようという気運が高まっています。その願いに答えるのは大変大事なことです。新年度は、約500件分の予算が組まれていますが、新エネルギー戦略の目標を、やりきるためにも、補助件数をもっと増やす事が必要です。市の考えをお聞きします

 

 また、高槻には、豊かな自然があります。しかし、昨年、夏の集中豪雨は、安満の墓地公園で、200ミリ以上降り、山が崩れ、多くの被害を出しました。山道が歩けるように、個人の所有林でも、整備に対する援助が必要です。府や市が対策を講じた以外の、山道についても、市が前向きに関与されないのでしょうか。見解をお聞きします。

 市は、国や府の補助を利用し、山林の整備について、作業道や作業路の整備に努めていますが、今後の計画についてお答え下さい。

 

第4に市バスのあり方についてです。                         

 

    昨年は、不祥事が明らかになり、その対策にとりくんできました。一定の改善はされましたが、今後も日常的に点検する体制が必要ではないですか?

    また、一部には、不祥事があったから、民間委託・民営化が必要という意見もあります。しかし、事件と民間委託はまったく別の問題であり、不祥事は民間委託になれば、解決できるものでもありません。むしろ、民間の方が、「市民の足を守り、公共交通を担っている」という責任感が薄くなる可能性があります。もともと高槻市は南北に長く、坂が多いため、市バスが必要です。

 市バスは、市民の足を守るとともに、どこに住むかという選択肢を広げています。バス路線があることで、住める地域が広がります。

 今後も「移動権の保障」の規定、「交通の安全確保」を基本理念の第一にすえた、市バスの運営が求められます。

 市民の生活を支えているという気構えとそれなりの労働条件を保証することが大事だと思いますが、市の見解を伺います。

 

 これから高齢化社会で自家用車で移動できない人が増えてきます。大事なのは、市営バスを守りながら、私鉄やその他の交通手段を検討し、全体として公営交通全体で市民の移動する権利、交通権を保障していく道を、確保することが必要です。

 「地域公共交通の活性化、及び、再生に関する法律」の第1条には、「この法律は、地域住民の自立した日常生活、及び、社会生活の確保、活力ある、都市活動の実現、観光、その他の地域間の交流の促進、並びに、交通に係る環境への負荷の低減を図る観点から、地域公共交通の活性化、及び、再生を推進することが重要となっているとあり、第4条では国等の努力義務が求められており、「市町村は、主体的に地域公共交通の活性化、及び、再生に取り組むよう、努めなければならない」とあります。市民の移動する権利、交通権の保障についての、市の考えをお聞きします。

 

次に、敬老パスについてです。

 元気な高齢者づくりに、役に立つ制度です。市の介護認定率は、大阪府下の平均より4.2%低く、介護保険会計にも、大きな影響があります。介護保険の認定率が府下平均だとすると、4億2千万円、市の持ち出しが、今より大きくなります。医療費にも影響をしています。こういう点では、市全体としても、助かっているのではないでしょうか。敬老パスがあることで、高齢者の引きこもりの、予防にもつながります。

  敬老パスの制度についての評価で、本会議で市は、「今日までの高齢者の、社会参加の促進と、生きがいや健康づくりに、一定寄与してきたもの」と答弁されてきました。敬老パスの目的と、効果をお聞きします。また、敬老パスの存続が必要だと考えますが、答弁を求めます。

 

最後に、今後の財政見通しについてです。                     

 市は、新年度の予算編成方針の中で、「厳しい経済情勢や急速な高齢化で、税収が減収になり、その一方で、扶助費、義務的経費は増えている」「老朽化した施設の更新、耐震化も急がれる」とし、その中で、生産年齢人口を増やす施策、35人以下学級、3世代ファミリー、定住支援事業、認可保育所建設、待機児の解消、学童保育の時間延長など、努力をされています。子ども医療費助成のように、制度拡充のために、今年度検討するとされている事業もあります

 全体の財政見通しとして、第8次行財政改革で、収支状況は、「均衡」を維持し、経常収支比率は90%以下にすることを目標とされています。市の財政状況の見通しをお聞きします。

 

  行政が今までの前進面を、さらに進めながら財政を維持していくためには、再任用を含めた職員の協力と、市民の理解、協力が必要と考えます。財政状況など必要な情報を職員と市民に常に公開し、いっそうの協力を求めるべきだと思います。市長の考えをお聞きします。

 

  最後に、市民の利益が第一の市政の前進にへ、日本共産党高槻市会議員団は頑張ることを。申し上げて、市長への代表質問を終わります。