高槻市長 濱田 剛史殿

 

                    2012年12月25日

                    日本共産党高槻市会議員団

                    団 長   中村 れい子

 

2013年度高槻市当初予算と施策に対する要望書

 

 リーマン・ショック後の大企業による大量の派遣切りで、雇用者数が急激に落ち込んで以降、雇用は増えず、減少傾向が続いており、年金も毎年のように減らされ、国民の所得が減少しています。

 総務省の家計調査では1世帯当たりの実収入は1997年をピークに102万円も減っています。衆議院選挙でも「デフレ不況」からどう脱却するのかが問われました。

 高槻市でも市民の収入が減り、個人市民税の収入が減少しています。市民の収入を増やし、市の収入を増やす努力が求められます。

 

 2012年度は、濱田市長の本格的予算が組まれた年でした。35人学級を小学校6年生で実施、子ども医療費助成制度を小学校卒業まで拡大されました。介護保険では保険料値上げに伴い減免制度の拡充などにとりくまれてきました。

 また、8月には予想を超える豪雨があり、大変な被害がありました。今後は、浸水対策が急務となっています。

 さらに、不祥事が明らかになった年でもあります。市バスの窃取事件については、全容の解明と損害をできるだけ取り戻すことが大事です。他にも、生活保護や国民健康保険、市民課など仕事上のミスが相次ぎました。市民から見て信頼を取り戻す努力が必要です。

 これからも、住民のくらし応援のための施策実現に、努力されるよう要望します。

 

 くらしと福祉、中小業者の営業を守り、産業振興を図る立場から、日本共産党高槻市会議員団と高槻・島本地区委員会は、高槻市の2013年度予算編成と市政運営にあたり、5つの柱14項目の重点要望とともに114項目の市民要望を実現されるように強く求めるものです。

 

重 点 要 望

 

くらしや福祉の充実を図ること

 

・国民健康保険料の値上げは高額所得者にとどめ、減免制度を充実すること。

・高齢者世帯や子育て世代への住宅改造補助などを実施すること。

 

子育て支援や教育の充実、子どもの安全対策を強めること

 

・こども医療費助成の対象を中学校卒業まで引き上げること。

・35人学級を拡大すること。

 

災害対策を重視し、住み続けられるまちづくりを

 

・雨水管の整備をすすめ、特に浸水被害がひどい地域は早急に整備すること。

・雨水の逃げ場がない学校のグランドなどに、雨水貯留施設の整備に努めること。

・河川・堤防の改修・強化。水路、準用河川の清掃にとりくむこと。

 

高槻の良さを生かした自然エネルギーの拡大にとりくむこと

 

・高槻の水車を生かした小水力発電にとりくむこと。

・住宅太陽光発電の補助件数を抜本的に増やすこと。

 

国や大阪府に要望すること

 

〈国に対して〉

・国民健康保険の広域化は行わないこと

・介護保険は必要なサービスが受けられるようにすること。

・消費税増税は行わないこと。

 

〈大阪府に対して

・国民健康保険の医療費の府内一元化を実施しないこと。

・救命救急センターの統廃合や補助削減をやめること。

 

 

 

1.福祉優先都市への着実な転換を

 

医療などについて

 

○若年健診の受診を促すために、個別通知をするなど特別の対策を講じること。

○保健所の保健師、栄養士、心理判定員、食品衛生監視員など専門職を、十分確保し必要な対象者などへの適切な訪問、指導・援助に努めること。

○無料低額診療制度を市内の医療機関に紹介すること。

○樫田地域での診療所と歯科診療の回数を増やすこと。

 

後期高齢者医療制度について

○減免制度の拡充を広域連合に働きかけること。

○短期証を安易に発行しないこと。

 

介護保険制度の改善について

 

○利用する上での問題、特に訪問介護の時間区分の変更の影響など利用者からアンケート調査を行うこと。

○介護報酬の改定での事業者への影響について調査すること。

○待機者の多い特別養護老人ホームなどの増設をさらにすすめること。

○ホームヘルパー派遣は、家事支援など利用者の状況に応じて柔軟に対応すること。

 

高齢者福祉について

 

○認知症の早期発見のためにタッチパネル式認知症テスト機を導入すること。

○単身高齢者住宅家賃補助制度の所得基準を緩和し、高齢世帯にも拡大すること。

○街かどデイハウスへの補助額を増やし、介護予防での地域支援事業の補助単価を引き上げること。

○緊急通報システム(緊急ペンダント)の対象を拡げ、長時間家族が不在になる昼間独居なども加えること。NTT一般回線以外でも利用できるようにすること。

○市バス無料敬老パス継続をすること。

 

国民健康保険について

 

○国民健康保険の一部負担金減免制度を、年金受給者などに拡充すること。

○短期保険証・資格証明書の発行をやめること。せめて福祉医療制度の対象者への発行はやめること。

○年金受給者で医療費支払など出費が増えた場合は、保険料の減免対象とすること。保険料独自減免は、所得割保険料のみを対象とせず、保険料全体を対象にすること。収入減少が30%未満であっても生活保 護基準等との比較から支払い困難なときは対象にすること。

 

障害者福祉について

 

○重度障害者タクシー利用券の申請手続きの簡素化と、郵送でも実施すること。

○障害者世帯の住宅家賃補助制度を創設すること。

 

保育行政と子育て支援について

 

○保育所入所希望者の全員入所に向け、さらに努力すること。

○保育所保育料は住民税非課税以下を無料にすること。

○公立・民間保育所の入所定員の弾力化を最小限にとどめること。

○保育士の障害児加配などは現場の状況に応じて配置すること。

○自宅で仕事をしている場合の入所判定基準の点数について、自宅外の仕事と同じ扱いにすること。

○一時保育を実施する保育所を増やし、短時間労働者などへの子育てサービスを拡充すること。

○認可(民間)保育所への監査指導責任を保育課でも果たすこと。

○認可外保育所に国の基準を守るよう指導を強めること。

○民間保育所の保育料以外の保護者負担はできるだけなくし、少なくとも基準を設けること。

 

学童保育充実のために

 

○学童保育室への希望者全員入所のために、引き続き複数クラスにし1クラスの定数を40人とすること。

○指導員は非常勤やアルバイトのみでなく、正規職員を配置し、人数も増員すること。指導員の待遇を責任に見合うものに改善すること。また、障害児加配の指導員配置基準を緩和し増員すること。

 

くらしと生活保護行政について

 

○境界層措置該当者の手続きを簡単にし、資産調査などはなくすこと。

○生活保護の医療券方式を改め、受診の手続きを簡素化すること。

○担当ケースが80世帯以下になるよう、ケースワーカーを増員すること。

 

消費者保護について

○消費生活センターの相談職員を増員し、休日・夜間の受付など相談体制を充実すること。

○ヤミ金や多重債務者への相談体制を強化し、債務整理や生活再建への貸付金制度を創設すること。

 

 

2.これ以上の自然破壊をやめ、自然やみどり、環境を守るために

 

(仮称)高槻東道路、南平台―日吉台線の整備は、沿線住民の要望に最大限努力すること。環境調査は調査日数を増やすこと。環境基準が守られていない騒音については、早急に対策をとること。

○新幹線騒音・振動公害については、環境基準の1日も早い達成をJRに働きかけ、市としても環境省へ改善要請を行うこと。また、在来線の環境基準(騒音・振動)を定めるよう国に要請すること。

○産業廃棄物中間処理業者や、自社物の産業廃棄物を保管している業者への指導を徹底すること。また、労働者の健康状況についても把握すること。

○企業が生産から廃棄まで一貫して責任を負い、処理困難な製品や品質の廃棄物を出さない「拡大生産者責任」の具体化を国に求め、市としても努力すること。

○学校・公共施設への太陽光パネルの設置を順次進めること。

○いましろ大王の杜、今城古代歴史館、安満遺跡、安満宮山古墳など、遺跡、史跡を結ぶバスの運行を実施すること。

 

3.住民の安全や健康を守り、安心して住み続けられる高槻を

 

災害に強いまちづくりや生命や財産を守るために

 

○雨水整備を進め、浸水被害の軽減に努めること。

○芥川、桧尾川などの改修を図ること。とりわけJR橋梁(芥川)と堤防の改修を急ぐよう、府やJRに働きかけること。

○消防職員を増員し、国の配置基準への適合を図るとともに、年次有給休暇等の諸権利行使が円滑に進むように努力すること。

○土石流、地すべり、急傾斜地崩壊など危険箇所の対策工事を急ぐよう、府に求めること。

○「避難勧告判断・伝達マニュアル」を住民に周知徹底すること。

 

快適なまちづくりのために

 

○歩道のない通学路、住宅街で車のスピードを抑える工夫をすること。

○歩道の段差解消の努力など歩行者安全対策や管理を強化すること。

○バス停まで距離のある樫田地域へ地域巡回バス・コミュニティバスの運行を検討すること。

○JR南バス停での乗客の安全確保をすること。

 

住民が主人公のまちづくりのために

 

○マンション建設などの開発行為に対して、市が業者と住民間のトラブルの調停に入ることを条例で規定すること。

○コミュニティーセンターのスタッフ給与、備品の維持補修や購入への支援策を拡充すること。

 

水道事業について

 

○水道水の値下げを企業団に働きかけること。

○専用水道や地下水を汲み上げている事業所に、協力金を求めること。

○マンションなど共同受水槽施設についても一戸建てと同様に戸別検針・戸別徴収とすること。また、戸別メーターは無料で取り替えること。

○水道管の耐震化を急ぐこと。

市バス事業について

 

○職員による窃取事件の全容を解明すること。2度と不祥事を起こさないための改善を急ぐこと

○「市バスのあるまち、高槻」をつらぬき、民間委託は一部でも行わないこと。

○市バス停留所に屋根やテントを順次設置し、夜間でも時刻表を確認できるようにすること。

○バス停間の距離が長い路線では新たなバス停の設置をすること。

 

 

4.どの子も健やかに成長できる教育や生涯学習の充実を

 

安全な学校・園施設のために

 

○通学路の安全確保のために、歩行帯の整備、街路灯の増設などをすすめること。

○特別教室や体育館などにも緊急通報の体制を確立すること。

○学校施設の設備改善を図り、エレベーター設置する学校を増やすこと。

○学校施設の電灯、外壁などの耐震化を急ぐこと。

 

ゆきとどいた教育のために

 

○全国学力テストは参加しないこと。

○「日の丸」「君が代」の押しつけをやめること。

○2学期制や、小・中一貫教育はやめること。

○中学校で加配教員を増やすこと。

○「授業アンケート」を強制しないこと。教員・学校ごとの点数、グラフ化など、結果の公表は行わないこと。

○支援学級のサポート教室(富田小学校)は、全市域の送迎を保障し、職員体制、とりわけ医師の派遣回数など、療育面の充実をはかること。また、校区の支援学級の設備改善や職員配置を増やすこと。

○教育センターで行っている適応指導教室の常勤研究員・指導員・訪問指導員の体制を抜本的に拡充すること。

ADHD(高機能自閉児)LD(学習障害児)への個別支援の対応を充実し、保護者などが相談できる体制を確立すること。

○「人権教育基本方針・人権教育推進プラン」に基づく、同和教育の推進をやめること。

○中学校に図書館支援員を配置すること。

○就学援助制度の持ち家・借家の所得区分をやめ、所得基準を見直し、補助内容を向上させること。小学校、中学校の入学に間に合うように支給日を7月から4月に前倒しすること。

○給付制の市奨学金制度を検討すること。

○幼稚園就学奨励費の増額や保育料減免基準額を引き上げること。

 

安全でおいしい学校給食のために

 

○米飯給食を週3回に増やし、高槻産米使用の回数、年4回の米粉パンの使用回数を増やすこと。

○学校給食の栄養士を1人3校担当から2校担当にすること。

○輸入食材をできるだけ使用しないこと。

○中学校給食の試行校での課題を早急に解決すること。

 

図書館行政について

 

○図書館への指定管理者制度の導入は絶対に行わないこと。

○正規職員の司書を増やすこと。また、分館にも司書職員配置を適正に行うこと。

○上牧駅前や南東部地域に図書館建設を推進すること。

○図書購入費や資料購入費のための予算増額を図ること。視聴覚資料(CD、DVD等)や団体貸出し資料の充実を図ること。

○対面朗読や読み聞かせのボランティアへの交通費やコピー代を支給すること。

 

幼稚園教育の充実のために

○公立幼稚園の4歳保育は、希望児全員が入園できるよう定員増など改善すること。

○全園への養護教諭配置を計画的に進めること。就労支援型保育で給食を実施すること。

○私立幼稚園保護者へ公私間格差是正のための補助を拡充すること。とりわけ4、5歳児への就園奨励費補助を引き上げること。

 

 

 

 

5.農林業や商工業の振興で活気ある高槻を

都市近郊農業と森林保全のために

 

○生産緑地の指定は、面積要件など国に条件緩和を求めること。

○農業することを義務づけられている生産緑地周辺での開発は、営農条件を配慮した指導を行うこと。

○市街化調整区域や農業振興地域の農地を保全するよう努力すること。

○地産地消をさらにすすめ、特産品の育成、産直運動・朝市への援助を拡大すること。

○府森林組合がとりくむ大阪材の利用促進への補助制度を創設すること。

○山林保全のため間伐への助成、立枯れ、後継者育成などを強めること。

○有害動物の被害防止柵の設置を計画的に進め、維持補修費用の助成をすること。

○ペレットストーブ、バイオコークス、公共事業への間伐材の公的利用を促進すること。

 

商工業の振興のために

 

○「商業活性化条例」を生かし、助成を拡充すること。市場・商店街などの販売促進、集客への取り組みも補助制度の対象にすること。

○市の入札制度を「指名競争入札」から「一般競争入札」に変更すること。

○地元企業・業者からの物品購入等で地元発注率を高めること。

○公共事業は元請け責任を明確にし、下請け、孫請け等への代金未払いがないよう指導すること。「公契約条例」制定に向け検討すること。

○指名業者でない小規模業者へ少額の工事発注をするために、「小規模修繕契約希望者登録制度」を発足させること。

○市内事業所を集めての就職説明会を開催すること。

 

6.「人権」に名をかりた同和事業・同和教育の終了を

 

○不正入居の是正など、富寿栄住宅の適切な管理に、さらに努めること。

○「人権」に名を借りた「同和研修」「同和啓発」などは行わないこと。

○人権まちづくり協会の富田・春日分局はなくし、府人権協会への分担金はやめること。

○「高槻市人権教育研究協議会」「富田・赤大路地域人権教育推進委員会」「城南リバティ」への支援をやめること。

○植木団地の不適切な利用を早急に改善すること。また、事実上の植木ゴミ処分料の値引きを止めること。

 

 

7.住民本位の財政運営で、公正・清潔・市民参加の高槻へ

住民本位の財政運営を

 

○官製ワーキングプアをなくす努力をすること。非常勤職員の5年の

 有期雇用をやめること。

○安易な外部委託化をやめ、必要な職員体制の確保を図ること。

○基金全体を見直し、何年も使ってこなかったものや具体的な使い道のない基金については、市民サービスの向上のために利用すること。

 

平和で民主的、清潔、透明な市政運営のために

○「非核・平和都市宣言」「人権擁護都市宣言」の街にふさわしく、非核・平和・民主主義・憲法擁護の施策の具体化と実施を図ること。タチソなどの保存をはじめ、戦争被害の実態の保存に努めること。

○職員研修は全体の奉仕者としての使命感を向上する内容にすること。