日本共産党高槻市会議員団|市政資料No.529 2024

2024-4-12

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3月議会 一般質問

中村顔写真中村れい子 本会議質問

都市農業の振興

 中村議員は日本の食糧自給率が38%と異常な水準まで低下している問題について取り上げました。国会で審議されている食料・農業・農村基本法案は、「食料自給率」という言葉しかなく、向上を図るという部分が削除されました。国には食料自給率向上の具体的な施策を示し、食料と国内農業者を守る責任があります。
 高槻市の2013年の農地面積は625haありましたが、2023年は575haに減りました。また、65歳以上の農業従事者は80・3%で後継者がいない問題もあります。新規就農者は10年で30件を目指す目標ですが、2022年度の新規参入は2件でした。地産地消の取り組みとして、市内の小中学校の学校給食に2023年度は13の農業者が出荷しているとし、「農業をやりたいという思いが実現できるように支援すること。学校給食により多くの農家が提供できるよう努力を」と支援強化を求めました。

国の自治体デジタル化は問題

 紙の保険証からマイナ保険証に変わります。マイナ保険証がない人が使用する「資格確認書」について市の対応を質問しました。市は、マイナ保険証を持っていない人は申請をしなくても「資格確認書」が送られてくること。マイナ保険証を持っている場合も、利用が困難な人は申請すれば資格確認書が交付されると答弁しました。中村議員は「それなら今の保険証を廃止する必要はない」と国の対応に矛盾があると指摘しました。
 中村議員は個人情報の保護についても取り上げました。たとえば、全国で500以上の自治体が導入している母子健康手帳アプリの利用規約は、アプリを利用した場合、「取得した情報はマーケティング分析など」に利用するとなっていることを明らかにし、「高槻市が今年度から実施する母子健康手帳アプリは、妊婦の健康状況や子どもの成長記録など入力すれば、子育てに関する情報が利用者に直接送られる仕組みです。個人情報を企業に渡すことになるのか」と質問。市は「適切に個人情報を扱っている」と答弁しました。中村議員は「民間が目的外に個人情報を利用することは禁止し、個人情報の取り扱いは慎重に」と求めました。

産業廃棄物業者への指導

 中村議員は前島地域では民間の廃棄物処理業者と住民との間で、ゴミの飛散、粉じん、施設からの雨水の流出、臭気、騒音など、長年の問題があり、住民から改善を求める要望書が市に提出されていることを紹介し、「全国では地域住民から受け入れられるように、産業廃棄物処理のあり方を一新させ、廃棄物の処理を屋内で行っている事業者もある。高槻市でも住民と話し合い、住環境の向上に協力することが必要」と訴えました。


出町顔写真出町ゆかり

学童保育指導員の処遇改善

 出町議員は月額制の会計任用職員として働く学童保育指導員は目安として122人必要のところ、実際は94人の配置で、28人不足しているとし、この原因として責任の重さに比べて給料の安さ、不安定な雇用に問題があると訴えました。
 また、学童保育指導員の雇用期間は5年更新です。給与は5年目以降は上がりません。高槻市の学童保育指導員で16年以上継続して勤めている人は43人いるとし、「国の補助事業は3種類あるが、高槻市はどれも利用していない。処遇改善事業を実施すべきだ」と質問。市は「国の定める要件が本市の条件に合致していないため、活用は難しいが、今後も本市の状況や方向性と照らし合わせながら必要に応じて適宜活用するなどの対応を行う」と答弁しました。出町議員は「5年更新ではなく、安定雇用にしていく必要がある。また、常勤職員も必要だ」と訴えました。


きよた顔写真きよた純子

訪問介護の報酬削減

 きよた議員は政府が訪問介護の基本報酬を24年度改定で2%も引き下げる問題を取り上げました。赤字の訪問事業所が36・7%を占めており、介護団体からは報酬削減で「昨年に過去最多だった倒産が加速する」と批判が噴出。厚生労働省の審議会では、日本医師会の委員から訪問介護がなくなれば「在宅医療も容易に破たんする」と警鐘がならされているとし、「基本報酬引き下げに対し、市の対策が必要」と質問。市は「サービス等の実態に即した適切な介護報酬の評価・設定が行われるよう国に要望する」と答弁しました。きよた議員は「移動が伴う訪問介護はガソリン代の高騰の影響が大きい。国に要望するとともに、物価高に対する市補助金などの検討を」と求めました。

障がい者医療費助成の充実

 きよた議員は大阪府は2018年4月から、重度の精神障害者、難病患者を重度障害者医療費助成の対象に拡大する一方で、老人医療費助成を受けていた65歳以上の1級以外の精神障害者・重度以外の難病患者などを対象から外したことについて質問しました。
 制度変更前と変更後の2022年度と比べ、障がい者医療費の助成件数は高槻市では6万196件の減、助成金額は府市の負担が約3億円減っており、「府市の医療費助成の負担分約3億円で窓口負担はなくせる」と訴えました。現に障がい者医療費助成制度の窓口負担を無料にしている都道府県は2022年10月時点で19自治体あります。また、大阪府精神障害者家族会連合会が精神2級の手帳所持者も対象にすること、老人医療費助成制度の復活を求めていることを紹介。「障がい者医療助成制度の充実を府に求め、市としても当事者の声を聞いて検討するべきだ」と求めました。

教員の欠員解消

 大阪府は独自の少人数学級を実施していませんが、2021年時点で47都道府県中、43都道府県は国の基準より35人学級を上乗せしています。また、2021年の大阪府の小中学校の教員定数に占める正規教員は88・4%で、全国平均の92・9%に比べ低くなっていることなど問題があります。
 きよた議員は、全国的に教員不足が問題になっていことを取り上げ、「欠員になった学校では、どんな問題があるのか」と質問。教育委員会は「影響が出ないよう、欠員となった教員の担当業務を他の教員で分担している」と答弁しました。また、きよた議員は市独自に実施している中学校の35人学級にどんな意見が寄せられているのか質問。教育委員会は「生徒からは授業で質問しやすい。保護者からは学習面でより丁寧にみてもらえると感じる。教員からは生徒一人一人の学習状況に応じた指導ができるなどの意見がある」と答弁しました。きよた議員は「長時間過密労働や欠員解消へ、正規教員を増やし、少人数学級をさらに進めるよう府に意見をあげ、高槻市独自に小学1、2年生で30人学級の実施を」と求めました。


義務教育学校の設置について

 高槻市教育委員会は「義務教育9年間の一貫性・連続性のある教育活動」を行う義務教育学校の設置に向けた検討を進め、全ての学校を義務教育学校することを視野にいれているとしています。
 義務教育学校に関する審議をおこなう「高槻市教育審議会」を設置(委員は15人以内、学識経験者、関係団体代表、保護者、学校園関係者、公募市民)します。2024年度から審議を開始し、検討スケジュールなど、具体的には審議のなかで決めます。

学校統廃合をともなう義務教育学校は問題

 教育委員会は現在、高槻市で実施している連携型小中一貫教育により、「確かな学力」や「豊かな心」の育成、「地域との連携強化」など一定の成果があり、義務教育学校の実施でさらに効果を高めるとしています。しかし、それは小中一貫教育だけの効果ではありません。高槻市独自の35人学級の実施や学習支援事業を実施しており、教育施策全体の相乗効果です。
 各地で進められている義務教育学校は学校の統廃合がともなうものです。小中学校にはそれぞれに校長がいるのに対して、義務教育学校では1人の校長で良いとしています。また、学校統廃合になれば、学校の規模、通学時間、交通安全、防犯の問題など、それぞれの学校に課題があります。義務教育学校導入の検討については、進めるべきではありません。

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