来年4月開催予定の大阪・関西万博に大阪府教育庁が学校行事の一環として小中高校生等を参加させる事業について、日本共産党高槻市会議員団が5月28日に高槻市教育委員会に提出した要望の内容を掲載します。
万博会場建設現場において3月28日、工事中にメタンガス爆発事故がおこりました。夢洲は、焼却灰や下水汚泥を埋め立ててできた島です。メタンガスなど可燃性ガスが現在も発生しており、地下鉄の工事現場でもメタンガスの発生が確認されています。
学校現場や父母・市民から「本当に子どもを連れて行っても大丈夫なのか」「安全性の確保が大前提」など心配する声が出ています。また、万博に行くかどうかの検討にあたっても、「休憩する場所などは確認がとれているのか」「熱中症対策や震災・急病など不測の事態にどう対処するのか」など不安や心配の声が多数出ています。
5月1日には、大阪府教育委員会に大阪府都市教育長協議会、大阪府町村教育長会が大阪・関西万博に大阪府内の児童・生徒を校外学習として参加は「大きな不安がある」として対応を求める緊急要望書を提出しています。
観光バスを利用しても駐車場から会場入り口まで約1㎞あり、小学校低学年では約30分以上歩くことになります。会場内でも、ピーク時児童生徒の入場見込み1万4千人に対し、屋根付きの団体休憩所は2千人しか収容できず、小学生優先など人数制限があります。緊急要望書では、こうした不安・懸念を列挙し「混乱をまねくことを危惧する」としています。
子どもたちを招待する以上、大阪府及び大阪府教育委員会は、このような声に耳を傾け真摯に対応する責任があります。そして、万博参加については、不安の解消、安全・安心の確保が大前提であり、高槻市教育委員会として確認すべきです。それができるまでは、子ども招待事業参加は見送るべきと考えます。
よって、以下の事項を要望します。
2024年度所属委員会
中村 れい子
市民都市委員会、新名神交通体系等対策特別委員会、環境・温暖化審議会、議会運営委員会
きよた 純子
文教にぎわい委員会、史跡整備・活用等特別委員会(委員長)、産業振興審議会、高齢者福祉専門分科会、都市計画審議会
出町 ゆかり
福祉企業委員会、市街地整備促進特別委員会、議会だより編集委員会、国民健康保険運営協議会
高槻市教育委員会は、これまでの教育活動の成果をさらに高め、顕在化した課題の解決に向け、すべての学校を「義務教育学校」とすることを目指しています。
義務教育学校とは
●学校教育法の改正により2016年に新設された学校教育制度。
●1人の校長1つの教職員組織の下、小学校から中学校までの義務教育9年間を一貫した教育を行う学校。
●小・中学校の学習指導要領を準用した上で、特色のある教育課程の編成が可能になる。
●施設の形態は「施設一体型」「隣接(併設)型」「施設分離型」がある。
5月31日に義務教育学校の設置に向けて教育委員会から学校教育審議会に諮問されました。
教育委員会は顕在化した新たな課題として、「教育格差、不登校児童・生徒の大幅な増加、中学校単位での地域連携のさらなる活性化など」をあげ、連携型小中一貫教育により学習指導面や生徒指導面などで一定の成果をあげているが、小・中学校としてそれぞれの学校組織が存在することによる取組の限界があるとしています。そのため、義務教育学校を設置してより一層の充実を図ると説明しています。これに対して委員からは教育委員会の報告に、肯定的な意見や、「メリットだけでなく、デメリットもある」と疑問の声もありました。第2回目の審議会までに、連携型小中一貫教育の成果と問題について、また全国や府内の義務教育学校設置状況など審議資料の請求がありました。
審議会の開催予定は、2024年度は5回(うち1回は義務教育学校を設置している自治体に学校視察)、2025年度は4回です(最終審議2025年11月予定)。次回の審議会は7月26日(金)13時からです。
高槻市では早くから35人以下学級を実施するなど、市独自の取組をしています。教育委員会が連携型小中一貫教育の成果としているものは、35人以下学級の成果でもあります。それを根拠に「すべての学校を義務教育学校とする」というのは無理があります。また、一般的に義務教育学校の問題点は「小学校高学年の自覚などこれまであった子どもの成長に有益なものが失われる」「学校がマンモス化する」「中学のテスト体制や厳しい管理が小学校に拡大する」などあげられています。
6月1日、高槻革新懇の総会で日本共産党の大門実紀史氏の講演がありました。
「社会保障の大きな経済効果」として、人生には病気、失業などいろいろなことがある。そういう時にセーフティネットがあれば人々はまたがんばれる、再チャレンジでき社会こそ経済が伸び、成長できます。
アベノミクスによる金融緩和では株の操作で大企業などが大きな利益をあげるが、日本経済は豊かになっていないのは、働く人の賃金(実質賃金)があがっていないからです。日本経済の6割はみんなの家計消費で、国民が豊かになってこそ経済がまわります。賃金を増やすこと、すべての人に効果がある消費税を今すぐ5%に引き下げ、暮らしを支えることが大切としました。
日本共産党の経済再生プラン
3つの改革で暮らしに希望を
- 政治の責任で賃上げと待遇改善をすすめる 人間を大切にする働き方改革
〇最低賃金1500円
〇大企業の内部留保課税で賃上げ促進
〇非正規ワーカー待遇改善法- 消費税減税、社会保障充実、教育費負担軽減
〇消費税減税、インボイス中止
〇「増える年金」「頼れる年金」
〇学費無償めざし半減、給食費無償化
〇大軍拡ストップ、大企業・富裕層に応分負担- 気候危機打開、エネルギーと食料自給率向上
〇省エネ、再エネ推進、脱炭素・原発ゼロ
〇食料自給率を早急に50%に
〇自由化とめ食料主権、価格保障と所得補償