決算審査特別委員会が10月15日から21日にかけて開催され、日本共産党市会議員団からはきよた議員が出席しました。昨年度の高槻市の税金の使い方、市政運営について議論がされました。きよた議員が質問した内容の一部を掲載します。
市町村が住民票の写し等の証明書類を本人以外の第三者等に交付した場合に、本人に交付した事実を通知する制度です(市役所や支所で登録が必要)。本人には誰が請求したかは知らせませんが、開示請求をすれば「法人名」や「弁護士事務所の名称」等を開示することができます。
弁護士や司法書士等は相続や債務整理などの手続きで個人情報を入手できます。きよた議員は「悪用され、事件になった事例もある。何か対策はないのか」と質問。市は「職務上請求に使用する『戸籍謄本等請求書』を通し番号を附番して管理し、紛失等があった場合は速やかに全国の市町村に該当番号が通知され注意喚起がされるなど不正請求を防ぐ取り組みを実施している」と答弁しました。きよた議員は「登録を呼びかけて欲しい」と本人通知制度の周知を求めました。
少子高齢化による課題に対し、今後も持続可能な行政運営ができるように対策を講じていく必要があるとし、2017年9月に「高槻市みらいのための経営革新に向けた改革方針」を発表。改革方針策定から6年がたった昨年12月の「みらい創生審議会」で「改革方針の見直し」が提案されました。改革方針には「今後のバス事業の民営化について検討すべきである」との記載があります。委員からは「いかに効率的な運営を行うかということで、民営化にこだわるものではない」、「幅広い議論の中から本来の目的を実現するためにどうするかを考えればいい」との意見がありました。市営バスの民営化という言葉はみらいのための経営革新でしか使われておらず、市営バス経営戦略では「市営バス事業を自立経営の徹底によって実現する」とあります。きよた議員は「他の計画との整合性がとれない」と主張。市は「見直しにあたっては適切な表現となるよう検討している」と答えました。きよた議員は「市営バスの民営化との文言は削除するべき」と求めました。
国民健康保険特別会計は昨年度だけだと3億6122万円の赤字です。きよた議員は「府が示した通り保険料を決めている。なぜ、赤字になるのか」と質問。市は「府の推計と実績が乖離した場合には、保険料収入が見込みを下回ることが起こり得る」と答弁しました。「府が示した保険料に『乖離があった』ということは赤字になった責任は府にある。赤字分を補填するよう府に要望すべき」と求めました。
また、保険料を滞納すると6ヶ月という期限付きの短期証が発行されます。昨年度末で1,067件、医療機関の窓口で10割支払うことになる資格証明書は529件発行(受診は42件)されています。18歳までの加入者は資格確認書の対象にせず、短期証を発行します。きよた議員は「いろんな事情で納付できない場合もある。どういう働きかけをしているのか」と質問。市は「個別の事情や状況に極力応じられるよう、休日相談や電話相談、ご家族等の代理による相談など実施」と答弁しました。きよた議員は「社会保障である国民健康保険料が毎年上がる仕組みが問題だ。もう負担の限界にきている。国の負担を増やすなど手立てが必要」と主張し、昨年度も保険料値上げがされたことから国民健康保険特別会計に反対しました。
昨年度は今年4月から始まる2024問題(物流・運送業界における残業時間の上限規制によって生じる問題)に向けての対策として、高槻市営バスでは「始発便の一部繰り下げ、最終便の一部繰り上げ、それに伴う減便、ダイヤ改正等を実施。昨年度の運転士の採用試験を3回実施し、合計16人を採用しました。2024問題に向けての対策を実施しなければ、概算で30人~40人の運転士が不足する」としています。
大きく変更されたのは、阿武山、萩谷、塚原、奈佐原線のJR高槻北口発着便がすべてJR摂津富田で乗り換えが必要になったことです。きよた議員は「いったんJR摂津富田駅で乗り換えることで、利用者からはどのような声が寄せられているのか」と質問。市は「運転士の人数不足をカバーし、労働時間の確保を図ることができた。乗り継ぎが必要になり不便になるのではとの意見を数件いただいている」と答弁しました。きよた議員は「国の責任で全体として労働条件を良くすること。市営バスとしては、若い人に大型2種免許を取るための財政的支援の検討が必要。富田駅でいったん乗り換えが必要になった路線については、JR高槻北に乗り換えなくてもいける便を作って欲しいと要望がある。利用者の意見を聞いて対処して欲しい」と意見しました。
奈佐原、萩谷、阿武山・塚原線のJR高槻駅直通便の廃止を受け、「阿武山 市バスを考える会」が地域住民有志で結成されています。10月10日、高槻市交通部に対し「JR高槻駅への利用や買い物などで不便さを感じる」、「せめて1時間に1本は残して欲しいなどの声が上がっている」と要望書を提出しています。
児童福祉施設の指導監督は毎年すべての施設で実施されています。昨年度は、児童福祉施設の111施設で監査が実施され、文書による指摘事項の数は24件。認可外保育施設は35施設で実施し、文書による指摘事項は16件でした。また、保育施設への巡回相談も実施されており、市の保育士が対象施設に年2回訪問し、障がいのある児童の支援に対して助言などを行います。
昨年度は公立、私立合わせて51施設に対し、102回実施し、204人の子どもの相談に応じました。巡回相談を行う職員については公立施設で保育の経験年数が比較的長い保育士が担っています。
保育経験者も同行する監査や相談業務を行うには、公立の児童福祉施設は一定の数が必要です。昨年6月に公表された第3次高槻市立認定こども園配置計画では、保育所・幼稚園合わせて7カ所しか公立は残さず、0歳児から保育する施設は5カ所です。 その分、公立の保育士の職員体制も弱まることになります。きよた議員は「これで、市内の保育水準が保てるのかが疑問。計画の再検討を」と求めました。。
図書館は読書、〝知りたい、調べたい〟を保障する役割があります。社会情勢の変動に合わせて内容的に古くなった本を廃棄し、図書の更新をしながら、新鮮で魅力のある本棚づくりが求められます。そのためにも、予算と人員体制の充実が必要です。
コロナ前の2019年度と昨年度を比べると、貸出冊数は約19万冊の減、利用人数は約3万人の減です。それだけでなく、電子書籍を除いた本などの購入費も約1551万円減っています。購入費については、この5年間で年々減っています。2019年度と昨年度を比べると、購入した冊数は3万3815点で1万190冊の減です。また、平均単価は1冊あたり1979円で、102円上がっています。きよた議員は「平均単価の値上がりに対し、購入費を増やさなかったのか」と質問。市は「物価の上昇に伴い図書費の1冊あたりの単価はあがっているが、図書館として必要な資料(本)をそろえるための予算の不足は生じてない」と答弁しました。きよた議員は「物価高に応じて、購入費を増やすことが必要。読みたかった本が見つかる、新たな本を読みたくなるそんな図書館にしていくには、購入費の確保が大事だ」と訴えました。
また、司書資格を持つ職員は、昨年度は常勤職員13人のうち管理職は4人、5年契約の会計年度任用職員は52人で8割をしめています。会計年度任用職員の平均勤続年数は18年です。それだけ長年勤務している職員は図書館の運営に欠かせない職員です。きよた議員は「希望する人は正規職員にし、待遇改善をすること」を求めました。