今年6月19日に、地方自治法の改正が成立し、総務省から通知があり、「国の安全に重大な影響を及ぼす事態における国と普通地方公共団体との関係等の特例」の考え方が示されました。
中村議員は、「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」が発生し、または、「発生するおそれがある」と判断すれば、国は地方自治体に対して、法的義務を持つ「生命等の保護の措置に関する指示」を発することができるという国等による新たな関与の仕組みを創設しました。
国の指示権行使の対象は自治体の仕事全般に及び、「指示」を受けた自治体は指示に対応する法的義務を負うことになります。しかも「指示権」を発動される規定の文言はあまりにも漠然としており、指示権が発動される事態には際限がなく、それを特定場面に限定することは不可能です。
中村議員は「補充的指示の内容、どういう場合に指示が出されるのか」質問しました。
市は「(災害や感染症に対して)国の責任において広域的、統一的な対応を行う必要性が高く、国民の命の保護のため、閣議決定を経て自治体に必要な指示をすることができる」としました。
中村議員は「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」「大規模な災害、感染症のまん延、その他、これらに類する事態」という規定は抽象的で、そのうえ「発生するおそれがある場合」も加われば、その範囲は際限がないと訴えました。
「武力攻撃事態」に対処するための自治体や国民の動員を定めた有事法制では、国の自治体への指示権を一定認めていますが、その範囲は避難・誘導・救援に限定されています。指示をするには自治体との相互調整や、意見申し出の手続きを、経ないとできないです。
今回の改正で、指示権がすべての事務に及ぶことになれば、有事法制では認められていない広範な指示を出すことが可能になります。
市は18歳と22歳の名前、生年月日、住所、性別の4情報を本人の同意なく自衛隊に提供しています。
中村議員は「日本共産党は、個人情報の提供に応じない市町村への不利益な扱いは生じないこと、住民基本台帳の一部にとどめても法令に違反しないことを求めたことについて防衛省は『地方公共団体が国の行政機関が行った助言に従わなかったことを理由に、不利益な取り扱いをしてはならない』『防衛省は知事、市町村長に対して資料の提出を求めているが、強制するものではない』と回答している。高槻市が自衛隊に名簿を提供しないと、不利益な扱いはあるのか」と質問しました。
市は「不利益な扱いはない」と答弁しました。
中村議員は「高校生の就職活動は、高校を通じて行うことや家庭訪問の禁止など教育的配慮が求められる。しかし市から名簿をもらった自衛隊は、学校も保護者も通さず未成年である高校生に勧誘文書を送りつけている。自衛隊員は兵士と位置付けられ、武力行使への服従義務、命をかけて人を殺す『賭命業務』が課せられている。名簿提供は義務ではない、就職活動のルールも守らない自衛隊への名簿提供はやめるべき」と強く訴えました。
神戸市内の事業所が製造したミネラルウオーターから水道法の暫定目標値の最大6倍に相当するPFASが検出されました。食品衛生法に基づくPFASの規制がなく、自治体が廃棄命令を出すことは難しいとされています。
中村議員は「飲み物や食品に規制がないということは大問題。水道水には暫定だが目標値があるのだから何らかの規制がいることは明らか、市の保健所では市内で販売されている食品の農薬や食品添加物の検査をしている。川の水や地下水を利用して農作物を栽培している場所がある。それ以外にも影響があるかもしれない食品についてPFASの検査はできないのか」と聞くと市は「食品衛生法に基づくPFASの規制がなく検査する予定はない」と答弁しました。
中村議員は「食品衛生法での規制を国に求め、市としても検査できるように」と強く求めました。
きよた議員は「障害者差別解消法」が2016年に施行され、行政や事業者が正当な理由なく障害を理由として差別することを禁じるとともに障害者が求める社会的障壁の除去について合理的配慮を求めている。また、障害者差別解消法の改正が2021年に行われ、民間事業者による配慮が義務となったことで市の認識と取り組みについて質問しました。
市は「国の法律や、大阪府の条例において不当的な差別の禁止や合理的配慮について定められているので、法の趣旨を踏まえ、適切な施策を推進している。障害者差別に関する相談については過去3年間で15件あり、必要に応じて大阪府と連携し、障害がある人の社会参加と事業者等の理解を深められた」と答弁しました。
きよた議員は「障害者差別を解消するためには、市の支援が大事。障害を持っている人が飲食店などを利用できるように、スロープを付けることや車椅子対応にするためには、事業者の負担が必要になる。事業者負担を補助することはできないのか」と質問しました。
市は「事業者については必要に応じて自ら設置する施設の構造の改善など環境の整備に努めることが規定されているが、大阪府においては事業者補助等を実施する予定はないと聞いている」と答弁しました。
きよた議員は「府の相談事業を協議、検討し、差別解消についての対策強化に生かす取り組みが必要。市として条例を定める考えはないとのことですが、高槻市障害児者団体連絡協議会から障害者差別解消条例は不可欠と要望があがっている。どんな社会的障壁があるのか、当事者でないとわからないこともある。全国をみても中核市15か所を含む、184団体が条例を制定している。市でも条例制定と、バリアフリーに対する事業者支援を実施すべき」と訴えました。
出町議員は国民健康保険料の中でも大きな矛盾をもつ「均等割り」について質問しました。
出町議員は「今年度から、6年間の激変緩和措置が終わり、大阪府内で国保料が統一料金となった。その結果高槻市の1人当たりの平均月額保険料は6年前の2018年度と比べ、3,886円の値上げになった。保険料の減免対象の要件が災害・所得の著しい減少、刑事施設への拘禁、旧被扶養者の4つとされたため、市町村独自の減免制度は認められなくなった。全国知事会や市長会は国保料を高くする原因となり、子育て世帯などに過酷な負担となっている加入者1人ずつにかかる均等割、世帯にかかる平等割の廃止を毎年要望し続けている。子育て支援の観点から子どもの均等割への補助制度に踏み出すべきでは」と市の考えを求めました。
市は「国が2022年度から未就学児に係る均等割りの5割軽減を実施している。市独自の減免制度については大阪府に要望している」と答えました。
出町議員は「国が5割軽減したということは国も国保料の矛盾がわかっている。高槻市の均等割りは大阪府が統一にすると決めた2018年と今年度をみると、12,896円から46,207円と3倍以上増えている。国の半額減免以上に、均等割りが増えている。高槻市の未就学児の国の負担以外の均等割りは約1,300万円。0歳から18歳までの均等割りは約9,100万円。ぜひ子育て支援の一環としてこの均等割り負担分の支援を」と強く訴えました。