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2015年度から17年度の介護保険料は 月額4833円(案)で391円の値上げ 国の低所得者保険料軽減策がほとんどほごに
高槻市は1月30日開催された社会福祉審議会高齢者福祉専門分科会に、来期(2015年度から2017年度)の介護保険料の案を示しました。月額4833円(基準保険料)となり、前期から391円の値上げとなりました。国が当初表明していた低所得者対策は大幅に後退しました。
「消費税増税か保険料値上げか」迫る国の姿勢は問題
国は来年度から低所得者(所得別の第1段階から第3段階)の保険料を最大で7割減額するとしていましたが、最も所得の低い層(第1段階)だけを対象とし、減額割合も20%を5%にとどめたため、値下げから、値上げになりました(左表)。消費税10%の「先送り」を口実にしていますが、消費税増税か保険料値上げか、国民に迫るのは問題です。これでは生活保護基準以下の人や基準ぎりぎりの人まで値上げになります。国は当初の約束を守るべきです。高槻市も収入の少ない人への値上げをやめるべきです。
大阪府は保険料抑制のために基金の取り崩しを
高槻市は介護保険会計の基金を全額取り崩し、保険料を月額260円引き下げました。
一方、大阪府は約80億2900万円の基金を持っていますが、保険料引き下げに活用する考えは見せていません。大阪府の基金の3分の1は府下の自治体が介護保険加入者の保険料を拠出したものです。ため込むことは許されません。宮本議員は「市として府に取り崩しを強く求めてほしい」と求めました。
国による「要支援者」外しの改悪初年度実施自治体は7%だけ
「要支援1・2」の高齢者向けサービスを介護保険から外して、市町村に丸投げし、ボランティアなどに担わせる制度改悪は実施前から矛盾に直面しています。厚生労働省の調べで、初年度の2015年度中に移行するのは、全体のわずか7.2%です。
高槻市も「受け皿が少ないのではないかと思われる」(長寿生きがい課長)として、移行最終期限の2017年度に先送りすることを表明しています。
来年度の国民健康保険料は
国への後期高齢、介護の納付金が負担増で値上げに
国民健康保険運営協議会は2月5日、4月以降の国民健康保険料について答申しました。国民健康保険料は、主に加入者の医療費をまかなう「医療分」、国全体の後期高齢者の医療費をまかなう「後期高齢者支援金等分」、介護費用をまかなう「介護納付金分」の合計です。来年度、医療分の収支見込みは収入と支出がほぼ同額で、保険料はすえ置きとなります。一方、後期高齢者支援金等分、介護納付金分は、国が毎年一方的に負担を増やし続けており、後期は一人当たり年間1924円、介護は同4880円の負担増が見込まれています。
また、市は所得割保険料がかからない世帯の保険料を2013年度からすえ置いており、来年度も継続します。