政府対策本部は5月8日から、現在は無料としている検査や治療費に患者負担を求め、コロナ患者に対する医療機関への財政支援は大半を縮小すると決めました。患者の受診控えや治療の中断を招くとともに、医療機関はコロナ対応がより困難になる事態が危惧されます。
3月7日に政府方針でワクチン接種の期間が2024年3月末まで延長されました。重症者を減らすことを目的として、5月から8月にかけて、65歳以上の高齢者や基礎疾患を有する人、医療・高齢者等施設の従事者に追加接種を実施。9月以降に接種可能な年齢の人を対象に追加接種が行われます。
公費負担によるワクチン接種が1年延長されたので無料で受けられます。しかし、財務省は当初、自己負担の検討をしており、新型コロナワクチンの接種費用は1回約9600円と試算しています。定期接種化された場合、接種控えで、新たな感染拡大と死者数の増加を招く危険性があります。今後も継続して公費負担にするべきです。
日本共産党市会議員団が提起した内容
高槻市の4月からの新年度予算では保健所の事務職を6人増やし、保健師は今年度と同じ39人です。新型コロナはインフルエンザよりも感染力が強いうえ後遺症の問題もあります。新型コロナ第8波で、大阪府は死亡者が全国最多となりました。医療機関や高齢者施設でのクラスターは、高齢者の命にかかわるものです。3月7日の福祉企業委員会で、きよた議員は「5類になった後も、引き続き体制強化を」求めました。
12月議会で中村議員は5回目のプレミアム商品券の実施を訴え、高槻市は3月議会にプレミアム付商品券、第5弾の予算を提案、10月から利用できます。この間、4回発行した商品券は市民に大変喜ばれ、商売をされている人からも、「苦しい時に来客のきっかけを作ってくれた。新規の顧客獲得につながった」などの声が寄せられています。
3月3日の本会議できよた議員は、利用できる店舗を増やすこと。物価高での大変さを訴え、早く商品券を届けることなど求めました。一方で、大阪維新の会は3月7日の文教にぎわい委員会で、改選前の予算は人件費など必要とする予算が基本だとし、商品券発行はその考え方に反すると主張し、予算に反対しました。
社会福祉協議会が実施した特例貸付は昨年9月に終了し、返済が始まります。2023年1月時点で貸付利用件数8030件、免除申請件数は2275件で約3割になります。物価高騰で返済できない状況があり、全国社会福祉協議会は、免除対象を拡大するべきとしています。
中村議員は「免除する対象を増やすこと、返済を猶予することはできないのか」と質問。市は「免除要件の拡大には至っていない」と答弁しました。免除の条件の拡大を国に要望するよう求めました。
保険料の最高額が2万円引き上げられます。国民健康保険には他の医療保険にない、加入者1人あたりにかかる均等割が課せられるため、世帯人数が多いほど少ない所得で、最高限度額になります。限度額は国が決めているため、中村議員は「中間所得の世帯に大きな負担をかけていることを、国は理解しているのか」と質問。市は「上限を引き上げることで中間所得層に配慮した」と答弁しました。しかし、3人世帯で所得645万円の場合、保険料は104万円になり、重い負担です。中間層に重い負担をかける限度額引き上げの提案に反対しました。
大阪府の示した金額では、平均で月額1288円、年間で1万5456円の値上げになります。また、均等割と平等割の負担割合を大阪府の考え方に合わせる変更がされます。高槻市では1人あたりにかかる均等割の金額を低く抑えていましたが、府の基準に合わせることで、3人世帯では3万540円の値上げです。平均の値上げ額1万5456円を大きく上回る値上げになります。
今年2月末時点で国保加入者の約66%が国の軽減を受けおり、年金収入の人が多く加入しています。公的支援によって、国保全体の保険料を下げる必要があります。国は経済動向を踏まえ、軽減制度を拡充します。中村議員は「府は物価高への配慮はしないのか」と質問。市は「府の物価高騰に対する配慮措置はありません」と答えました。中村議員は「物価高で大変な時に、大阪府は何の配慮もなく値上げを求めるのは問題だ」と訴えました。
マイナンバーカードの普及について、国は3月末までに全国民がマイナンバーカードを持つことを目標にしています。高槻市での交付率は2月末時点で60・8%です。 国はマイナンバーカードを保険証として利用することを進めており、現在3割負担の初診料が紙の保険証は6円高くなっています。4月以降はさらに6円値上げし、12円も高くなります。中村議員は「政府はマイナンバーカードを持つかは任意だとしながら、ポイントのつけ方、初診料で差をつけるなど、事実上強制している」と批判しました。
民間学童保育室への運営事業費は、2022年度の予算では19件。2023年度31件の学童保育室に補助するとしています。多くの子どもが利用する施設になります。
きよた議員は「立ち入り調査はするのか。どんな体制でするのか」と質問。「立ち入り調査は2023年度からの実施で準備をしている。市の学童保育チームの職員が行う予定」と答弁しました。金沢市の英語教室が行う学童保育で、日常的な体罰が行われていたとの報道もあります。きよた議員は「補助金を出している施設で虐待の事案がでれば、どんな立ち入り調査をしていたのかとなる。きちんとした立ち入り調査ができる体制をとるべきだ」と主張しました。
出産・子育て応援事業は、妊娠届け出時の面談で5万円、出産後の面談で5万円、2回の面談で合計10万円の給付を行います。目的は面談やその後の情報発信・相談などを継続実施することで、必要な支援につなぐためとしています。
出町議員は、「出産まで一度も受診していなかった女性が起こした虐待事件がありました。高槻市は妊産婦健診の費用助成なども整っている。もっと広く制度周知をして欲しい」と求めました。