日本共産党高槻市会議員団|市政資料No.521 2023

2023-8-9

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6月議会 一般質問

中村顔写真 中村れい子

子どもの貧困、実態把握を

 中村議員は「NPOの調査で子どもに〝必要な栄養がとれていない〟と答えたのは6割。子どもの貧困、ひとり親家庭の実態把握のために調査を実施し、必要な支援につなげることが大事だ」と訴え、子どもの貧困についての市の認識を問いました。市は子どもの貧困についての調査は「大阪府が実施するとされている。その結果から一定の把握ができる」と、市独自に調査をする考えはないとしました。また、子どもの貧困については「教育、生活、経済的支援など多岐にわたっているため、市全体で対応すべき課題。今後も様々な施策を進めて行く」と答弁しています。
 府の実態調査は8000世帯で、高槻市は767世帯です。中村議員は、支援に取り組むには調査世帯数が少なく、地域によって差があるので「市独自に実態調査をするべき」と求めました。

特定妊婦について

 中村議員は、「妊婦に障害、貧困、家庭内暴力などの複雑な事情があり、養育支援が必要と判断した場合、『特定妊婦』として登録し、自治体は支援をすることになり、全国での登録者数は約10年間で8倍に増えている。市の状況や支援」について質問しました。市は「高槻市での登録は7月現在で38人。登録の流れや支援については、医療機関などから情報提供があった場合、必要な調査を経て、関係機関で会議を行い、特定妊婦として登録するかを判断している。本人に出産後の準備・養育方法に関する助言等を行うことや、出産前から出産後の支援方針などについて関係機関で協議・連携を図っている」としました。
 中村議員は産んだ子どもをどう育てるのかわからず、死なせることがないように、「情報提供をしてもらい、つながりを持つことが大事。どこまでの支援が必要なのか把握し、フォローすること」を求めました。

出町顔写真 出町ゆかり

樫田地域の介護の現状と課題

 出町議員は「樫田地域は、高槻市の高齢化率と比べて倍近い54%(5月現在)と大変高い高齢化率です。しかし、樫田地域に訪問介護を派遣する事業所はありません。その理由は訪問介護は訪問先までの時間は介護報酬には含まれないため、往復1時間半かかるなどの理由から経営的にやっていけない」としています。さらに、近所の方からは「声掛けや、異常があった場合の連絡などの見守りはできるが、家の中に入って掃除や介護の世話までは無理だ」との訴えがあること。京都市で実施されているような、介護事業所への山間部地域加算を市独自に補助することを求めました。

きよた顔写真 きよた純子

人と動物がともに生きる社会へ

 全国では、昨年度に殺処分された犬猫は1万4千頭。飼う側の意識の変化や保護活動の努力で殺処分は減ってはいるものの、対策強化が求められます。大阪府の基金を活用した事業のなかに、多頭飼育や所有者のいない猫への対策はありますが、その予算規模は府全体としては少なく、国からの補助はありません。
 きよた議員は市として、保護猫活動への無料避妊・去勢手術事業の充実、譲渡促進の取り組みへの支援強化、地域猫活動の啓発、動物に対する正しい知識を養う取り組みなどが必要だと求めました。

地域猫活動への支援

 府の地域猫活動を支援する制度があります。支援内容は、猫対策のアドバイス、取り組みに必要な物品の提供、不妊・去勢手術、保護・譲渡可能な猫への必要な処置。事業対象は自治会で、今年度からはボランティア団体も対象になりました。広島県では、資金援助だけでなく、要請があれば自治会長に対し、地域猫活動について説明するなど、必要な協力をおこなっています。府と市で住民との協力体制をつくることが求められます。


機構改革、図書館について

 2019年5月に法改定があり、図書館の所管を教育委員会から、市長部局に移管することを可能としました。
6月議会に図書館を教育委員会から市長部局に移管する提案がありました。中村議員は「図書館の役割である知る権利について、どう考えているのか」と質問。市は「図書館の役割が変わるものではない」と答弁しました。
 本来の市の計画では図書館は7館(現在5館)つくる計画です。中村議員は「上牧地域、南東地域のあと2館の計画も引き継ぐ」ことを求めました。また、図書館職員は63%が非正規職員。司書については81%が非正規雇用であることを明らかにし、「こういう状況で責任を持った図書館運営ができるのか疑問だ」と処遇改善を求めました。
 市は「国で社会教育の適切な実施については一定の担保措置を講じることとされている」と答えましたが、中村議員は「市長部局へ移管する理由はなく、教育委員会の所管のままにするべきだ」と主張しました。

太陽光発電施設設置の条例を検討

 太陽光発電の設置については、大規模な施設が無秩序に設置されると、環境に大きな影響を与え、土砂災害の恐れが高まります。周辺住民とのトラブルの原因となる場合もあります。そのため、高槻市の環境・温暖化対策審議会(きよた議員が委員に所属)で、太陽光発電施設についての条例の検討が行われています。
 第1回目の審議会では、条例案の骨子などが示されました。高槻市は太陽光発電の設置を規制する内容のみにするとの考えを示しています。設置場所の要件に「土砂災害警戒区域」は避けること、「各種手続きで住民への説明が必要」などと書かれています。きよた議員は「規制することも大事だが、条例案の目的に太陽光発電の普及についても明記するべき」と求めています。

次回の環境・温暖化対策審議会

日時:8月18日午前10時~
場所:市区所本館3階 第2委員会室

高齢者福祉専門分科会

 7月27日に開かれた高齢者福祉専門分科会にきよた議員が出席。高齢者福祉計画・介護保険事業計画の昨年度の実績などが報告されました。

介護予防教室、街かどデイハウス

 2020年度と2022年度の参加者数を比べると、街かどデイハウスは1か所減り、7か所になりましたが、参加者は841人増えています。街かどデイハウスでは「ますます元気体操」に加え、興味関心に合わせた、楽しい取り組みもできるということもあります。きよた議員は「居場所」としての機能の重要性について質問。市は「介護予防事業の参加者が交流できる地域の居場所としての役割を担っている」と答弁しました。  きよた議員は「居場所としての機能に補助金がなく、運営に苦労されている。補助制度の検討を」と求めました。

老人クラブ

 日帰り旅行でのことぶき号(貸切バス)の利用については。コロナ前の2018年度は193件。2019年度174件。2020年度2件。2021年度はコロナで事業を休止したため0件でした。ことぶき号は2021年度末に廃止され、2022年度から旅行会社のツアー利用や貸切バスの調達、鉄道等の公共機関の利用に対して補助する制度になりました。
 2022年度はすべて「貸切バス調達」で62件。2023年度は7月27日現在25件の申し込みがあります。きよた議員は貸切バスの補助について、老人クラブからの要望を質問。市は「貸切バスの運賃値上げに応じて、補助上限を増額して欲しいとの要望がある」と答弁しました。きよた議員は「日帰り旅行はつながりを深めるのに大切な行事。要望をよく聞き、改善を」と求めました。

介護サービス基盤の状況

 事業所で、増えているのは営利法人(前年より6法人の増)です。きよた議員は営利法人が増えている理由を質問。市は「あくまで推測だが、比較的容易に法人を設立することができるためではないか」と答弁しました。介護される人、介護職員同士のパワハラも問題になり、法人監査がますます大事になっています。
 また、きよた議員は問題の一つに、介護職員の人手不足があること。募集をしても、人がこないため、派遣・紹介事業者を通じて介護従事者を募集することが増えていることを指摘。「求人募集の経費が負担になっている。補助はできないのか」と質問。市は「求人募集への補助制度は実施していないが、介護職の魅力発信・普及啓発。事業者研修で介護人材の確保・定着支援に努める」と答弁しました。
 きよた議員は「根本的には給料、働き方の問題があり、改善を国に要望すること。求人募集への補助は、ぜひ検討を」と訴えました。

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