長引くコロナ禍や物価高の影響は深刻です。企業倒産は前年度の1.5倍になり、職を失う人が増えています。
高槻市ではこの間、物価高騰対策としてプレミアム付商品券の発行や、水道基本料金4か月無料に、さらに社会福祉施設、商業者などへの支援金の支給をしてきました。中村議員は「今年の年末にも物価高騰への支援は必要」と主張。市は「物価高騰は、依然として市民生活や事業活動に影響を及ぼしていると認識しており、今後も市民や事業者等に必要な支援を検討してまいります」と答弁しました。9月実施の朝日新聞の調査では物価高への岸田内閣の対応について、評価しないが77%でした。中村議員は「高槻市では市民に評価してもらえるような支援策を」求めました。
一人暮らしの高齢者の人数は10年前より1.5倍の1万5887人です。特に一人暮らしで、身寄りのない人にとっては、亡くなる前後のことは自分ではできなくなるので、誰かに依頼しなければいけません。他市で行う終活サポートでは、生前に葬儀や納骨の契約をすることができ、貯金を利用して葬儀を行うことも可能です。孤独死を防ぐためにも大事な制度です。
中村議員は「高齢者への終活支援を実施する考えはないのか」と質問。市は「他市の取組事例等を調査・研究する」と答弁しました。
ヤングケアラーは「家族にケアを必要とする人がいる場合に、大人が担うようなケア責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートを行っている18歳未満の子ども」とされています。年齢や成長の度合い以上に重い責任を負わされ、生活や学業に困難をきたす子どもへの支援は重要です。
ヤングケアラーについて今年1月に高槻市がアンケート調査をしました(左表)。「家族の世話をしている」と答えた児童生徒の割合は小学5年生2010人のうち7.8%、中学2年生2061人のうち6%です。
出町議員は「ヤングケアラーの子どもは教育現場で十分に把握されておらず、実際にはもっと多くいる。支援に結びつけるためにも対象児童への聞き取りを」と教育委員会に求め、「市独自の専門の窓口の設置」を提案しました。
障がい福祉サービスの重度訪問介護は身体的介護度の高い方や進行性難病の重度障害者など、医療や訪問看護などとの連携が必要なケースが多く、高い専門性が求められます。
重度訪問介護を利用している方から「ヘルパー不足でサービスが思うように利用できていない」との訴えがありました。きよた議員は「ヘルパー確保のためには低くい報酬単価の改善が必要」と訴え、市は「報酬単価の見直し、処遇改善など、国に対して要望している」と答弁しました。きよた議員は市が利用者に「事業所を通じて希望しているサービス量が確保できているのか聞き取ること」を求めました。
就労支援の周知啓発や、生活支援の強化が必要です。
きよた議員は高槻市に対し、相談支援専門員を増やすなど相談体制の強化。自立支援協議会で作成した就労支援や生活相談支援のリーフレットや、精神障がい者家族連絡会が作成した「一人暮らしのガイドブック」のように必要な情報を必要な人に届ける取り組みの強化を求めました。
また、地域生活支援事業として、枚方市は通学の移動支援。東京都墨田区では通勤の移動支援(期間限定)を精神障がい者や療育手帳所持者なども対象にしています。しかし、高槻市の通勤・通学移動支援の対象は重度障がい者に限定しています。きよた議員は「高槻市でも通勤・通学の移動支援の制度拡充が必要」と質問、市は「大阪府の移動支援の考え方に準じて支給決定をしている」と答弁しました。きよた議員は「発達障がいのある人は二次障がいや感覚過敏などのため、電車が苦手だったり、慣れない環境は負担があり必要な支援です。国に改善を求め、高槻市も制度の拡充を」と訴えました。
「高齢者福祉計画・介護保険事業計画」に基づいて、サービス体制の整備・介護保険料の設定が行われています。今年は2024年4月から3年間の計画策定の年であり、10月5日の高齢者福祉専門分科会に、計画の構成骨子(案)が示されました。きよた議員が委員として出席しました。
国の計画基本指針(案)に掲げられた「地域包括ケアシステムの深化・推進」は、市の計画骨子(案)にも据えています。高槻市の実態は、2022年度と2019年度の比較で、老人クラブは27減、会員2281人減。老人福祉センターの延べ利用者は18万2746人の減。民生委員は55人の欠員です。
市は「助け合いながら暮らしていける包括的な社会、地域共生社会の実現が地域包括ケアシステムの目指す方向であるとされている」としました。きよた議員は「地域で支えるような土台は弱くなっている。市、地域包括、社協、介護施設など公的支援、体制強化が必要だ」と訴えました。
厚労省の介護保険部会では、介護保険サービスの利用料2割負担の対象者拡大と、「高所得者」の保険料引き上げが論点になっています。
介護保険利用料の負担について、きよた議員は「昨年10月には、75歳以上の医療費が一定所得の人は2倍になったばかり。物価高騰もあり、これ以上の負担増は高齢者の生活が持続できなくなる。高槻市独自に負担軽減の検討を」求めました。
耳が聞こえにくい事で、人との接触をさけたり認知症になるリスクも増えます。しかし、補聴器を持っていても、調整が難しいため使っていないという人も多いです。きよた議員は「老人福祉センターなどで、何度も、繰り返し教えてもらえるような支援。補聴器補助、聞こえの検診の検討を」求めました。市は「高齢者の聞こえに対する支援については、他の自治体の取組状況を参考にする」と答弁しました。
他の委員からも「補聴器の費用は高額で、両耳は買えない。他市の取組状況が遅れていたらやらないのか。市として補助制度をつくって欲しい」、耳の聞こえには「補聴器が有効で、メンテナンスが大事」との意見がありました。市は他市の取組状況を調べた結果について、分科会に報告することを約束しました。