10月にも、多くの品物が値上げされました。とどまることのない物価高騰で、暮らしの状況が悪化しています。
日本銀行の「生活に関するアンケート調査」で、1年前と対比した現在の暮らしについて「ゆとりがなくなってきた」の回答が57・4%に達しました。その理由として「物価が上がったから」が89%をしめています。物価高騰に対して、9月市議会で答弁された「安心して市民生活や事業活動を行っていただけるように、市独自の支援を検討する」を踏まえ、12月議会に提案をしていただきたい。と市長に対して左記の項目を要望(11月8日)しました。
10月18日から24日の日程で決算審査特別委員会が開催され、日本共産党からは出町ゆかり議員が選出されました。日本共産党は「国民健康保険特別会計」「後期高齢者特別会計」に反対し、他は賛成しました。質疑の一部を紹介します。
公共施設等管理基金は、市の計画では毎年15億円積み立てることを目標としています。しかし、昨年度は45億円の積み立てです。財政調整基金から30億円を基金に繰り入れています。出町議員は「財政調整基金から繰り入れなくても、目標の15億円は積み立てられている。昨年度は、新型コロナの影響が残る中、物価高騰もあり、市民の暮らしは本当に大変だった。財政調整基金から繰り入れなければ、もっと市民のために使える金額は増えたのではないか」と訴えました。
昨年度の国保会計は6千万円の黒字でした。国保は自営業者やフリーランスと年金受給者などが加入しています。会計は黒字なのに大阪府の保険料に合わせるということで4・02%値上げしました。そのうえ賦課限度額(最高額)を3万円引き上げ102万円にしました。
出町議員は「賦課限度額になる世帯数と、1人世帯、2人世帯3人世帯の賦課限度額になる所得はいくらになるのか」と質問。
市は「賦課限度額になる世帯は370世帯(介護保険料を国保で払っていない全員が65歳以上の世帯は含まれません)。賦課限度額になる所得については1人世帯では約730万円以上、2人世帯では約700万円以上、3人世帯では約670万円以上の場合に、年間102万円の保険料になる」と答弁。また、この保険料額は「大阪府の統一保険料に向け算定している」とのことです。
出町議員は「賦課限度額は所得670万円の世帯も、6700万円の世帯も同じ保険料ということになる。
670万円で15%以上の保険料になり、負担は重い。しかも物価高のため暮らしは大変になっている。これ以上国保料をあげないように」と強く訴えました。
★しかし、国は来年度この賦課限度額(最高額)をさらに2万円値上げしようとしています。反対の声をあげましょう。
昨年から75歳以上の医療費窓口負担が2割負担増になり、2人世帯で年収320万円、1人世帯年収200万円で2割負担になります。
国は3年間の経過措置として一か月の負担増を最大3000円までにしています。
出町議員は「高槻市で2割負担になった人は何人いるのか、また国は経過措置をとった理由についてどう説明しているのか」と質問。
市は「窓口負担割合が2割負担となった人は1万5,356人で全体の26・9%。国の経過措置は急激な負担増加を抑制するため」と答弁。
出町議員は「約27%、大変多くの人が2割負担になっている。負担増で受診控えや医療費を削る高齢者も出ている。これ以上高齢者の暮らしをさらに追い詰めるやりかたには反対」と述べました。
高槻市の昨年度の特殊詐欺は91件と過去最高になり、被害は2億2千万円、大阪府全体では、被害者の89%が65歳以上でした。
出町議員は詐欺電話防止機器の効果について質問し、「貸出している機器は391台、1台につき6・5件の詐欺登録電話番号を拒否していることは、一定の効果がある。しかし、被害者は家族にも言えない、被害にあったお金は返ってこないなど、精神的な落ち込みや経済的にも苦しくなることは避けられない。いろいろな場での周知を徹底させ、被害を少なくするために、今後も取り組みを強めてほしい」と求めました。
給食調理棟や保育所の大人用トイレの洋式化の計画はなく、進んでいません。給食調理員の人からも要望がありました。トイレに行くのを我慢している人もいるとのことです。
衛生面や水道使用量の面からも、計画を作り、洋式化を求めました。
発がん性など健康への被害が指摘されている有機フッ素化合物による汚染が、全国で問題になっています。大阪でもダイキン工業のある摂津市や隣接する東淀川区の地下水で高濃度の汚染が判明。大阪府の調査で国の「暫定目標値」を超える汚染が府内18河川で確認されています。(PFOS:半導体用反射防止剤・金属メッキ処理・泡消火薬剤など。PFOA:フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤などでフライパンのテフロン加工や衣類の防水などにも使われている)
出町議員は「国は2019年、全国で171地点、大阪府では5地点で摂津の地下水、茨木市の河川で調査を実施している。2020年度は141地点に減少し、大阪府内では6地点になっている。高槻市の水道水について調査をしたことはあるのか」と質問。市は「水道部として大冠浄水場の原水、浄水、及び給水栓の水を提供した。2022年度に水道部が行ったPFOS及びPFOAの測定結果については、大冠浄水場の系統で19ナノグラム、企業団水系で10ナノグラム(ナノは10億分の1)、樫田・川久保浄水場系統で5ナノグラム、いずれも水質管理目標の設定項目の50ナノグラムを満たしている」と答弁。出町議員は「PFOSは2009年にPFOAは2019年に危険化合物資と認定され、廃止が決まり、日本でも製造・輸入が禁止になった。人の体内に蓄積されればどんな健康被害が起こるのか」と質問。市は「いまだ確定的な知見はない。国において検討が進められている」と答弁。
出町議員は「製造・輸入が禁止されたことでこれからどう減少していくのか研究が必要だし、水道水の数値が減少する対策を」求めました。
最後に「京都大学小泉教授の研究グループの調査で、2003年に安威川広域下水処理場から6万7000PPTの濃度のPFOAが検出され、2009年から毎年、大阪府と摂津市、ダイキンによる対策連絡会議が秘密会で行われていたことが資料で明らかになった。汚染源である企業やアメリカ軍の基地周辺の汚染対策が住民で進められている。研究が進み、健康被害が明らかになってからは遅い。十分な対策を」と要望しました。